SAMOCA 35 Ⅲ

▪️修理箇所

・ファインダーの汚れ

・レンズの汚れ

・ヘリコイドが重い

1、最初にシャッターブロックから先に外していきます。(軍艦を先に外すことは構造上できません。)

正面の4本のネジを締めるとブロックごと外れます。右上のネジは、裏でバネ止めも兼ねていますので引き抜かない様にします。

2、次に前玉中玉のレンズを外していきます。距離環のネジ3箇所を外しレンズを回すと、絞り、前玉、中玉セットが外れます。ねじ込みにグリスが固着しているのでエタノールで掃除します。

3、絞りも重いので絞り環のイモネジを外し掃除します。前玉は手で回して外せます。

これで、前玉 、絞りを全開で中玉、バルブ開放で後ろ玉を綿棒などで掃除をすることができます。

4、次に軍艦を外していきます。

リワインドノブ、フィルム送りノブのイモネジを緩めます。フィルム室から軸をドライバーなどで固定し上のノブを手で回して外します。同様にフィルム送りノブも外します。

5、両サイドのネジは3本とも外し、金属の板を下にスライドさせて外しておくと軍艦が外しやすくなる。

6、軍艦を持ち上げる際は、後ろ右肩から左前方へ持ち上げフィルムカウンター送りバーを上手く避けて外す。軍艦と本体の接合部に接着剤が付いている可能性があるので、根気よくグリグリして外します。

今回は軍艦内部は特に問題ないので、ファインダーの清掃のみです。

ヘリコイドに注油して、レンズを戻します。

軍艦を戻す前に裏蓋と本体の接触部分の遮光毛糸を貼り替えます。

これで修理は終了です。

*フィルムカウンターを戻す際カウンターの爪とギアが干渉してはまらないので、紐などで爪を引っ張ってはめる。

*レンズを戻す際は、前玉のねじ込みとヘリコイドのねじ込みを同時に入れ、なおかつ本体側のネジピンをレンズ側の穴に入れなければならません。ピント調節はこのねじ込みで決まってしまうため、ほとんど調節はできません。設計の段階で大体、正しくねじ込めばピントがだいたい合う様になっているようです。

▪️撮影サンプル

※フィルムカウンター送りボタンはリワインドボタンを兼ねています。

フィルムを巻き戻す時は、フィルムカウンター送りボタンを押したまま戻す。