前面のファインダーガラスが無いという状態で入手しました。
結果的にファインダーガラスは軍艦内部に落ちていました。無いのはネジだけです。
シャッターは正常に切れているようなので、シャッターを分解する必要は無さそうです。
▪️修理箇所
・ファインダーガラスの固定ネジが無い
・革の剥がれ
・ヘリコイドが重い
・レンズ、ファインダーの汚れ
・底蓋に彫り込みの傷
1、軍艦を開けていきます。
まずリワインドノブと軸を外します。フィルム室から軸を割り箸などで固定してノブを反時計回りに回して外します。
2、シャッターチャージノブを外します。カニ目ネジは反時計回りで外せますが、そのまま回そうとするとフィルム軸ごと回ってしまいネジを外すことができません。ですので、フィルム軸をペンチなどで挟み固定して、カニ目を外します。
3、軍艦上の左右のネジと裏のネジを外します。そのまま上へ持ち上げても、リワインドスイッチ部分に引っかかりがあり軍艦は外れません。リワインドノブ側から持ち上げて、横へスライドさせて外してください。
4、シャッターチャージに不具合は無いので、油汚れを取り注油をしてファインダーガラスの清掃をしました。
5、レンズに移ります。まず距離環のイモネジを外します。完全に外すと無くしてしまう恐れがあるので途中まで緩めて外します。(無限遠の位置がわからなくなりますが、後で調節します。)
6、前玉は手で反時計回りに回して外れます。前玉とヘリコイドの油を清掃します。
7、カニ目回しで中玉を外して清掃します。
8、絞りを最大まで開きシャッターをバルブにして切ったまま、後玉を掃除します。
※今回はシャッターに不具合は無いので開く必要はありませんが、内部を開くには歯車状の止め具を外す。
10、ファインダーのネジは東急ハンズの精密ネジで代用。
11、底蓋に数字の彫り込み(管理番号みたいな)があるので、紙ヤスリでならして再メッキします。(めっき工房)
彫り込みが深かったので完全には消えませんでした。
12、剥がれかけの革を一度剥がして、膨らんだネジ頭の錆を落とします。薄めたボンドG-17で再度貼りなおしました。
13、距離環以外の部品を全て元に戻して、無限遠の調節をします。
(フィルム室のフィルムマスク面に、ファインダースクリーン、ルーペをテープなどで固定します。
シャッターをバルブにして切り開いたまま、前玉を回転させて遠くの景色にピントが合うように調節します。調節できたら、距離環を∞の位置ではめ込みイモネジを止めなおします。)
▪️撮影サンプル (光線漏れがあるので、遮光を直して再撮影予定)
0コメント