Seagull KJ-1というカメラの廉価版かと思います。
軍艦のカモメの彫刻がかわいいです。
RICOH ELNICAやKONICA C35に似ているので、検索してそれらの先人の分解も参考にします。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
不具合箇所
・シャッター羽が開かなかったり、途中で止まったりする。
・レンズ、ファインダーの汚れ
______________________________
1.軍艦を開ける
リワインドノブの下を固定して、ノブを回して外します。 下のネジも外します。
軸も下へ引き抜けますが、固定バネが破損する可能性があるのと裏蓋ロックが解除できなくなるので、抜かずにそのままにします。
ワインドノブも外します。カニ目は順ネジです。
一番下で本体と固定しているネジもカニ目回しで外します。
シューの下にネジは無いので外す必要はありません。
軍艦はかなり硬めにはまっています。横のアイレット付近からドライバー等を使って、てこの原理でゆっくり優しく持ち上げます。
シューのリード線は軍艦横に繋がっているので、このまま軍艦を外しても切れる心配はありません。
______________________________
2.ファインダーの清掃
ネジ2本を外してファインダーの蓋を開けます。
真ん中のファインダーガラスは蒸着があり、接眼側はレイアウトフレームがプリントされているので、剥がさないように優しく汚れを取ります
シャッター部分も開ける予定なので、先にフロントの貼り革を剥がしておきます。
レンズ近くの貼り革は金属版が付いているので、外側から剥がしたほうが良いと思います。
蝶番側のネジを外すと、裏蓋が分離できます。
______________________________
3.レンズの清掃
レンズ銘板の金属リングをカニ目で外します。
距離環に前面からネジ3個でレンズが止まっています。これを外すと無限遠の調整が必要になります。
レンズは前玉、中玉、後玉が一つになっています。
前からカニ目を外すと、三玉がポロっと出てきます。裏表間違えないように気を付けて汚れを落とします。
*シャッターが快調な場合はレンズ固定ネジは外さず、カニ目でレンズのみを取り出して清掃すれば無限遠の調節は必要ありません。
フラッシュ切り替えノブがついたリングは、横に小さなベアリングボールがはまっています。無くさないように気を付けます。
真鍮のネジ込みをカニ目で外します。その下にあるシャッタースピード切り替え金具の上側にも小さなベアリングとスプリングがあるので、無くさないようにします。
最後のカバーのネジを外すと、シャッター羽にたどり着きます。
羽はきれいだったので、シャッター不具合は羽の粘り等ではなく裏の機構にありそうです。
ここであることに気づきます。
このカメラ絞り羽が無い?
シャッターの開き具合を、高速では小さく開き、低速では大きく開くみたいな感じで絞りと兼用しているのかも。
羽が2枚しかないので、アイリスやボケ足がどんな感じに出るのか気になります。
______________________________
4.シャッターユニットを見る
シャッターユニットを外す前に、ファインダー横のリード線を半田ゴテで外しておきます。
正面4本のネジを外すとシャッターユニットが外れます。
シャッターをチャージして、羽をはじくパーツが錆で動きが悪くなっていました。
スローガバナーっぽいパーツと該当のパーツを外して、錆取り液で錆を落とします。
これでシャッターはスムーズに切れるようになりました。
底部にも巻き上げ機構があります。
今回は巻き上げに問題はなかったので、汚れ取りだけします。
______________________________
5.すべてのパーツを戻す
パーツを元通り組みなおし、無限遠の調節をします。
このカメラにはバルブがありません。
綿棒を羽に押し当てシャッターを切ると羽に綿棒が挟まり強制的に開くことができます。
そこに切込みをつけたプラバンや厚紙をつっかえ棒の様に挟みます。
バルブ状態を維持できるので、無限遠を調節します。
これで全て修理完了です。
0コメント