Canon Demi

Canon Demi

初代デミは、ノーマルの黒以外にフランス国旗モチーフの青白赤の3色があったようです。

露出計の指針に合わせれば、シャッタースピードと絞りは自動なのですごく楽です。
シャッターは2枚羽で壊れにくいので、過去触ったDemiでシャッターの異常は1台もありません。

この青は露出計の調子が悪いみたい。露出計を無視してマニュアルでも使えるのでいいかと思いましたが、このカメラの可愛さは銀色の額縁に揺れるオレンジの針にあると思うので、何とか元気にしてあげたいです。
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不具合箇所
  • 露出計の針の振りが弱い(夏昼間の太陽に向けても少ししか振れない)
  • ファインダー、レンズの汚れ
  • モルトがぼろぼろ
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1.外装を外す

レンズ外側のリングを外します。

フロント側の貼り革をドライヤーやベンジンで剥がします。
下から4本ネジが出てくるので外します。
これで外側の金属カバーが外れます。カバーは表裏が左の蝶番でつながっているので裏蓋ロックをオープンすれば丸ごと外せます。
シンクロコードが繋がっているので外します。

*レンズの清掃のみで軍艦を分解しない場合は、外装を外す必要はありません。
レンズ部の分解でシャッターユニットまでいけます。

2.レンズを外す

距離計リングのネジを外します。
レンズは手で回すと外れます。前玉、中玉、後玉が一体になっています。
表側と裏側からカニ目で回すと3玉分離して清掃できます。

3.シャッターの汚れをとる

ガバナー、シャッターは正常ですので、簡単に清掃だけしたいと思います。

真鍮色のねじ込み金具をカニ目回しで外します。飾りネジの右にある極小の止めネジを外してから、飾りネジを外します。何枚か円盤が外れるので順番を忘れないようにします。

シャッターユニットの汚れを取ります。
が!?汚れをとっているうちにシャッター羽が開かなくなりました・・・・
よく見ると掃除中にバネが外れたようです。ここのバネは細くて柔らかいので外れやすいです。
4.軍艦を開ける
軍艦の分解に移ります。
フィルム室側から軸を固定してリワインドノブを回して外します。
止めバネを外します。
軸を固定したまま、カニ目で蓋を外します。(順ネジ)
ワインドノブのカニ目を外します。(順ネジ)
ファインダー近くの2か所とサイドの2か所のネジを外すと軍艦が外れます。

5.ファインダーの汚れをとる

ファインダーの清掃をします。
ネジ2か所を外すと、ファインダーブロックが外れます。

ファインダーレンズは正面側に2枚、接眼側に2枚、蓋のネジを外すと中にはプリズムが入っています。

6.セレン、露出計の状態確認

セレン塗布面で起電し、裏面の銅板との接触で露出計を動かしています。
セレンカバーは下側から押すと外れます。
現状、リード線付近の接着剤でコートされた辺りしか光に反応していないようです。
希望を捨てずに起電力を復活させるために色々やってみます。
  • 抵抗を外す
  • セレンの裏面をヤスリがけする
  • 銅板を磨く
  • 錆取り液
  • リード線を新しくして半田し直す
  • 太陽光に1日当てる
  • 裏面にはんだごてを当て続けセレンの表面に塗布されている何かを溶かし再コーティングする
  • 針の振れ方に引っ掛かりがあるので、コイル部分をベンジンに漬けて汚れをとる

銅板側の接触不良が疑われる場合は、露出計のコイルカバーを外して下にあるネジが緩んでないかを確認する。

 努力の結果!なんと最初と変わりませんでした。ざんねん。



8.セレンを太陽電池に変える

セレンとは性質が違うとか、真正性が失われるとか色々思うところもありますが、針が振れた方が楽しいので、不本意ですが太陽電池に交換します。

100均でセレンとサイズが合いそうなソーラー電卓を購入。ソーラーパネルを外します。(ボタン電池と共用のものだと電卓として使えるので良い)

銅板側が+、リード線側が-です。
ソーラーパネルはセレンより厚みが出るので、半田部分が膨らんではまりにくいです。
ヤスリで半田を削り薄く平らにします。

ソーラー電池の左右は黒く塗ったプラ板などでマスクします。
この太陽電池は動作電圧1.5v、セレンは0.6v前後らしいので、すぐに針が振り切れてしまいます。
黒テープを貼ったり抵抗で調節したほうがいいですが、完璧には出来ないのでこのままにします。
*針の初期値の微調整は、露出計の裏側からコイルの金具を動かすと調整できます。コイルから 細いエナメル線が繋がっているので気をつけて触ってください。
 

9.モルトを貼る

ぼろぼろモルトをアルコールで掃除し、黒色がはげた部分をウレタン塗料で補修します。
モルト型をおこして、1.5mm厚以下のモルトを気持ち内側気味に貼ります。(厚すぎたり、はみ出ていると蓋が閉まらなくなります。)

10.最後に

すべてのパーツを組みなおし、無限遠を出して終了です。
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KODAK ISO200
*露出計の指針通り。ネガでは気にする必要ない

いまをあつめる、ひかりたち。

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